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Rickenbacker Lap Steel用 Custom Pickup
2011-8-6 Sat
1940年代末期のリッケンのLap Steel SD-6用のPickup製作です。
本来はHorse Shoe Pickupが搭載されているモデルですが、Pickupが無い状態でしたのでCustom仕様のPickupを製作しました。
Horse Shoe PUはU字型の部分がマグネットになっていますが、
これは入手不可能なのでA2のRod Magnetを使用。
この年代のオリジナルのスペックを参考に、
同じサイズのボビンを造り同じゲージのワイヤー(AWG 38)で5,800ターン。
直流抵抗値もほぼ同じ1.85k ohms。
マグネットの突き出し部分もオリジナル同様に1弦→6弦(高→低)へと傾斜を付け、ノイズ軽減のためにマグネット自体にGround処理を施しました。
出音はオリジナルとほぼ同じニュアンスですが、
Rodマグネットの為若干エッジの効いた仕上がりになりました。
台座も含めての製作でしたので結構厄介でしたが、なかなか興味深い仕事でした。
Lap Steelは結構楽しい楽器だと思います。
Magnetic Pickup for Acoustic Guitar
2011- 7-17 Sun
友人の依頼で製作したアコギ用のマグネティック・ピックアップです。
ギターが12弦だったので、マグネット1本の径に弦2本がキッチリ納まるように実測で製作しました。
ワイヤーとターン数はDeArmondのアコギ用PUのスペックを採用。
Fender PUのようにカヴァー付で上下可動式との要望だったので、
ボビンはFenderのフラット・ポールピース・スタイルにAlnico 5マグネットを採用。
極力ノイズを減らすため、コイル回りとマグネットにGround処理を施し、
2芯+Groundのケーブルを使用。
その他ボディにVol & Tone+Jack、サドル下にブラス板を取り付け、
弦のボール・エンドを接触させることによりGround処理可能な構造にしました。
ウォームできめ細かく、弦の弾ける自然な音を嫌味なく再現してくれています。
今回はボディ自体へのスクリュー留めが指定でしたので写真のようなスタイルですが、
今後いろいろな固定方式で製作してみたいと思います。
現行Fender TELECASTER用PUをVintageニュアンスへ
2011- 5-21 Sat
現行FENDER CUSTOM SHOPのTELECASTER用PUの再生作業です。
期間限定発売の53 MODELに搭載されていたPUで、メーカー説明ではマグネットがA3とのこと。
「軽い音なので、BROADCASTER期の様なトゥワンギーで尚且つ太い音にして欲しい。」とのご依頼。
マグネットの磁力を調べたところ、どれも50~60mT辺りの数値だったのでA3判断し、
43 PEを使ってBROADCASTERスタイルでリワインドすることに決定。
その前に、マグネットがどれもアッパー・ボビンから僅かに飛び出ていたので、
まずこれをVintageと同じように面よりほんの僅かに下になるように修正。
マグネット回りも再度ラッカー・コーティング。
(Pre-CBS期の殆どのPUはワインディング前に一度ボビンごとラッカーにどぶ漬けされています。
これは絶縁処理の一環だと思われますが、60年代末期辺りからTELECASTERやJAZZBASSなど一部のPUで
マグネット回りにテーピング処理が施されるようになった物もあります。)
外回りのラッピング・ストリングは新しい黒染のコットン紐を使用。
ケーブルは元のクロス・ワイヤーを再利用して完成です。
「オッカナイくらいトゥワンギーでギュワンギー(笑)で、弾いていて気持ちがEです。」とご満足頂きました。
現行品を再利用したリワインド処理でも、十分ご満足頂けるサウンドに変更可能な場合が多いです。
Guild用DeArmond Dynasonic Pickups
2011- 4-25 Mon
Guild用のDeArmond Dynasonic PUのリワインド作業です。
DeArmond社(以下DA社)はいろいろなギター・メーカーにPickupを造っていましたが、
このタイプもその1つ。
ボビンのコア部分のサイズはDA社用の物とほぼ同じですが、
マグネットのエレヴェーション部分などはかなり簡易構造になっています。
スペックはDA社仕様と同じで45ゲージのワイヤーが使用されています。
Dynasonicは50年代~60年代を通じて10k前後~11k程度までの物が存在しますが、
10k台半ば程度の物が一番多いです。
今回も45ゲージで6,500ターン(10k台半ば)巻き、
Neckポジションとのバランスも特に問題なく仕上がりました。
出音はオリジナル特有のナチュラルで柔らかくエアー感のあるサウンドになりました。
DA社はPickupの種類によって使われていたワイヤーのゲージ(太さ)が44, 45, 46と様々で、
造りが細かくリペアしづらい類のメーカーですが、非常に好きな部類の音を醸し出してくれます。
~ I love DaArmond pickups ~
E70s Fender Humbucker rewind
2011-4-12 Tue
Thinlineなどに搭載されているSeth Lover Humbuckerのリワインド作業です。
ご存知Seth Lover氏によって考案されたFender用のHB。
Gibson期のHBとは異なり、ポールピース自体がマクネットのため、ワイヤーのターン数がやたら多いのに音像のエッジがクッキリした出音のPickupです。
今回のご依頼は2PUのそれぞれ1ボビンが断線状態。
どちらもNoth sideが断線。
このPU、直流抵抗値が10k~10k半ば程度の物が殆どですが、稀に11k程度の物もあります。
F-Spaceなので当然ピッチはGibsonボビンより若干ワイドですが、42 SPNのRedで6,000~6,500ターン程度巻くのが基本。
今回はどちらも6,500ターンで仕上げました。
オリジナルの黄色いラッピング・テープもあまり色が剥がれずに外せたので再利用。
オリジナルと同じように接続端子4箇所の上に絶縁用ビニール・テープ(黒)を貼ってカヴァーを装着すれば完成です。
個人的にはこのPUは非常に好きな部類です。
Gibson 490 & 500をMid 60sスタイル・サウンドに!
2011- 4- 2 Sat
93年のGibson SG Limited Editionに搭載されていた490?と500?の再生作業です。
(この時期のPUはあまり詳しくないので型番が定かではありませんが、プレートに"Gibson USA"の刻印が有って、フロントが8k弱でリアが13k台半ば程度のセットです。)
「どちらも抜けが悪くてパワー有り過ぎなので、Vintageニュアンスに造り変えて欲しいとのご要望。」
この時期のPUは正直、かなりキツイです。
このシリーズのPUにはウレタン皮膜のワイヤーが使われていますが、ギター本体がワイド・ガード期のモデルなので、
65年頃以降の#P.A.Fと同じ42 SPN Redを使かったM60sスタイルでリワインドしました。
Neckは10,000ターン、Bridgeはちょっと多めにして10,500ターン。
マグネットはNeck PUはそのまま元の物Alnico5を再利用。
Bridge PUには当工房で常用しているAlnico5をリチャージして装着。
非常にクリアで分離が良い出音になりました。
Fat過ぎないが故に際立つMidと歯切れの良いHighが気持ち良いです。
オーナーのご要望でNeck側を逆磁にして、
Mix時がフェイズ・アウトになるようにセットしました。
マエストロのアーム付きなんて・・・オシャレですね~
・・・イイと思います。
秋間氏のGuyatone Sharp 5
2011-3-24 Thu
マルコシアス・ヴァンプ~Rama Amoeba(現在)で活動中の秋間氏のSharp 5。
秋間氏には以前からAmpの修理でお世話になっていましたが、今回Sharp 5の再生でお手伝いです。
Rama Amoeba Website
http://ramaamoeba.com/
元のPUが使えない音なのでP-90のニュアンスが欲しくて交換してもらったものの、Highが全く出てくれなくて使かえずにしまい込んでいたとのこと。
今回はNeck & Bridge共にリワインド。
P-90はDUNCAN製の物でマグネットはA5のようでした。
ワイヤーは42PEで10,000ターン、NeckPUはオリジナルの物を再利用。
元のPUはJAGUARのPUを意識したデザインだったので、Vintage JAGUARと同じニュアンスにしようと思いましたが、バラしてみるとかなりピッチが狭い造りだったので、テレキャスのNeck PUのニュアンスに変更。こちらは43PEで8,500ターン。
どちらも大型Ampでの使用を前提にしっかりポッティング。
先日引取りにお越し頂いたときにサウンド・チェック。
「Highもしかっり出てるし、P-90のニュアンスも出てる。
フロントも使えるようになったし、PUでここまで変わるとは!ありがとうございます!」と喜んで頂きました。
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