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10月 秋の歌 ~四季より~2022/10/12(水)
1.

わたしたちの庭から 秋が金色の木の葉の飾りを奪った
そして木の葉はゆっくりと 林の中を風にはためいて行く・・・
(詩 A・トルストイ伯爵)

なんとも心細い淋しい風情 色づいた木の葉も散り出し
秋が早足でせまってくる悲しい気分にあふれた曲
(ピアノ曲集「四季」は旧暦設定のため現在の暦では
11月に相当)
「秋の歌」はチャイコフスキー特有の抒情味にあふれた
旋律が、わびしい秋の気分を巧みに描がいている
中間部でほんの少し希望の光が射し込むように、長調の
明るい顔が出てくるが、たちまちもの悲しい気持ちに
押されるかのように静かに終わる
まだ明るいけれども、澄んだ、ひんやりとした秋の
冷涼感にニ短調がよく合う
自然界の秋、生命の秋、この曲の気分に大変近いのが、
悲しみと孤独感の漂う、きわめて私的な抑揚をもった
チャイコフスキーの歌曲『以前のようにまた一人に
なって』だとも言われる
チャイコフスキーが活躍した19世紀後半は西洋音楽が
ヨーロッパ中心部の仏、独、伊から周辺地域へ広がって
いく国民学派の時代でもあった
チャイコフスキーを含むロシア5人組を発端に、やがて
チェコ、ハンガリー等の東欧や北欧、スペインと大きく
広がっていった

◆チャイコフスキー 四季より 10月 秋の歌
https://www.youtube.com/watch?v=qv9rX9AuKoM
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