日めくり音楽帖
良い耳を作れるクラシックからポピュラー作品を
季節に合わせて紹介しています&日々のlessonとか
2024 - 4

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続 カノン~パッフェルベル2023/ 7/22(土)
カノン進行が使われているポップスの一部をご紹介します。
昭和から令和まで常に人々に添い寝してきた「カノン」。
今後もカノン進行は続くことでしょう!

●翼をください(サビ):赤い鳥1971
●クリスマス・イブ:山下達郎1983
●夢をあきらめないで(サビ):岡村孝子1987
●愛は勝つ:KAN1990.9/1
●少年時代:井上陽水1990.9/21
●糸(サビ):中島みゆき1992
●負けないで(サビ):ZARD1993
●チェリー:スピッツ1996
●TUNAMI:サザンオールスターズ2000
●いつも何度でも:ジブリ・木村弓2001
●さくら(サビ):森山直太郎2003
●恋するフォーチュンクッキー(サビ):AKB48 2014
●マリーゴールド:あいみょん2018


カノン~パッへルベル2023/ 5/23(火)
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カノンは正式には『室内楽曲3つのヴァイオリンと
通奏低音のためのカノンとジーグPWC37』
というの楽曲の前半部分で、何故かそこだけが突出
して有名になり、俗に「パッヘルベルのカノン」と
呼ばれ現代もよく演奏される
現存する最も古い楽譜は19世紀の筆写譜で、作曲の
経緯などは不明だが一説によると、
「パッヘルベルの弟子だったヨハン・クリストフ・
バッハ(バッハの父親代わりの長兄)の結婚式が
1694/10/23に行われ、そのときにパッヘルベルも
出席しているので、祝辞代わりに作曲されたのでは
ないか」と書かれた文献があるらしい(諸説有)

今年はパッヘルベルの生誕370年にあたる
370年前の日本は江戸前期!この曲が作曲されたで
あろう1694年は将軍綱吉が生類憐みの令を出した
そんな遥か彼方に、すでに西洋では現代に通ずる
サウンドが創られていたと思うと感慨深い

◆カノン
https://www.youtube.com/watch?v=MOBYK_reo-4

◆画像上:ヨハン・パッヘルベル
◆画像下:ヨハン・クリストフ・バッハ


モンタギュー家とキャピュレット家2023/4/13(木)
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1938年にプロコフィエフが作曲したバレエ「ロメオ
とジュリエット」はピアノソロとしての10の小品も
作られ、「モンタギュー家とキャピュレット家」は
ロメオとジュリエットを代表する一曲
モンタギュー家はロメオの実家、キャピュレット家は
ジュリエットの実家で両家はヴェローナの二大名家で
もあり大昔から敵対関係にあった
イタリアの歴史から教皇派と皇帝派の争い説?なども
あるが、原作のシェークスピアの「ロメオとジュリ
エット」には何の説明もないらしい
しかし、この曲を聴くと不思議と積もり積もった恨み、
憎しみ、あるいはヴェローナの大公のテーマと呼ばれ
る主題から威圧感、重厚感が漂い、一度聴いたら忘れ
られない刺激的な銘品
この曲はバレエの第1幕、第4場、舞踏会の音楽で、
騎士と貴婦人たちの舞踏の音楽として流れる
中間部はまだ少女のジュリエットが、両親が結婚を勧め
る青年パリスと淡々と踊る感傷的な旋律が美しい

◆モンタギュー家とキャピュレット家 Op.75-6
第6曲Allegro pesante
https://www.youtube.com/watch?v=kfFl1t2LZec


君を愛す~Ich liebe dich2023/2/14(火)
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「君を愛す」はベートーヴェンの温かい歌曲
作曲年は1795年、1797年など諸説あるが
1795年ならちょうど24歳で、ピアノ協奏曲1番、
2番を初演し、ピアノ三重奏がウィーンで本格的に
初出版され、まさしく人生の大転換期だった
詩はドイツの作家ヘルロゼー
正式タイトルは『優しき愛 Zärtliche Liebe』だが、
歌詞冒頭の「Ich liebe dich」がタイトルとして
呼ばれることが多い

「御身を愛す(君を愛す) Ich liebe dich」
愛する思いは 朝夕絶えず
二つの心は 離るる日なし
悩みも涙も 互いに慰め
憂きも楽しきも 共にわかたん 君と共に
いとおしの君よ まごころ愛でて
御神は君をば 護り給(たま)わめ
御神は我等を 恵み給わめ 
恵み給わめ 我等を
・・・
◆君を愛す
https://www.youtube.com/watch?v=54yydGPj454

◆画像1:若い頃のベートーヴェン


12月 クリスマス ~四季より~2022/12/5(月)
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少女たちは かつて未来のことを たずねてみようと企てました
自分たちの靴をクリスマスの日に 門の前へ投げました・・・
(詩 ジューコフスキー)

子供たちにとっては特にうれしいクリスマス
クリスマスの夕べに娘たちが靴を投げて占う風習を歌った
ジューコフスキーの詩を標題としている

この曲は、ワルツのテンポとリズムをもって書かれ、多分に
バレエ音楽らしいところがある優雅な作品で、そのためか
クリスマスに踊る曲との解釈もある
曲の構成は3部形式で、中間部はホ長調に転調し、メロディ
の受け答えがひんぱんに行われている
バレエ音楽の大家であるチャイコフスキー特有の華やかで
メロディックなところが好かれているさり気ない銘作

靴を投げて占うといったら日本では「明日の天気」ですが、
さてさて未来の占いは、いったいなんとでたのでしょう・・

◆チャイコフスキー 四季より 12月 クリスマス
https://www.youtube.com/watch?v=TfPlv55DWN0


11月 トロイカ ~四季より~2022/10/31(月)
1.

あこがれに満ちて遠くを見てはいけない
トロイカの馬を追ってはならない
心の中であんなに悲しく語った絃は 永久に消えさせてしまえ
(詩 ネクラーソフ)

トロイカとは、3頭立ての馬ソリのことで、11月ともなると
ロシアは雪におおわれて、もっぱらソリが利用されたので
この月の風物詩としてトロイカを取り上げたといわれる
ネクラーソフの書いた詩の大意は、悲しい心で道を眺めたり、
トロイカのあとを見たりするな
胸を痛めるものを早く永遠に吹き飛ばせ!というもので、
トロイカで走り去った人を思う詩だが、曲の雰囲気同様、
悲痛な感じはない
しかし、北国の冬景色の持つ独特の何か物寂しい気持ちが
こめられている
チャイコフスキーのピアノ曲のなかで、最も有名な曲とし
ても知られ、ピアノ以外の各楽器でも編曲され広く演奏
されている
曲は、まず始めにリズムのはっきりした旋律は、いかにも
雪の中をトロイカが走る様子を思わせ、この主部はロシア
民謡の特徴である自然音階風なメロディ
そして、経過風な句を過ぎて、中間部で鈴の音を交えた
楽しい歌声が響き、第3部はただの主部の反復ではなく、
低音域で扱って、高音で分散和音を奏し、雪の降る中を
静かに去っていく

◆チャイコフスキー 四季より 11月 トロイカ
https://www.youtube.com/watch?v=e0wb61yArME


10月 秋の歌 ~四季より~2022/10/12(水)
1.

わたしたちの庭から 秋が金色の木の葉の飾りを奪った
そして木の葉はゆっくりと 林の中を風にはためいて行く・・・
(詩 A・トルストイ伯爵)

なんとも心細い淋しい風情 色づいた木の葉も散り出し
秋が早足でせまってくる悲しい気分にあふれた曲
(ピアノ曲集「四季」は旧暦設定のため現在の暦では
11月に相当)
「秋の歌」はチャイコフスキー特有の抒情味にあふれた
旋律が、わびしい秋の気分を巧みに描がいている
中間部でほんの少し希望の光が射し込むように、長調の
明るい顔が出てくるが、たちまちもの悲しい気持ちに
押されるかのように静かに終わる
まだ明るいけれども、澄んだ、ひんやりとした秋の
冷涼感にニ短調がよく合う
自然界の秋、生命の秋、この曲の気分に大変近いのが、
悲しみと孤独感の漂う、きわめて私的な抑揚をもった
チャイコフスキーの歌曲『以前のようにまた一人に
なって』だとも言われる
チャイコフスキーが活躍した19世紀後半は西洋音楽が
ヨーロッパ中心部の仏、独、伊から周辺地域へ広がって
いく国民学派の時代でもあった
チャイコフスキーを含むロシア5人組を発端に、やがて
チェコ、ハンガリー等の東欧や北欧、スペインと大きく
広がっていった

◆チャイコフスキー 四季より 10月 秋の歌
https://www.youtube.com/watch?v=qv9rX9AuKoM