日めくり音楽帖
良い耳を作れるクラシックからポピュラー作品を
季節に合わせて紹介しています&日々のlessonとか
2024 - 11





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くるみ割り人形~こんぺい糖の踊り2021/12/7(火)

「こんぺい糖の踊り」は、お菓子の国の女王が踊るシーンで
演奏され、この曲について複数の逸話がある
*その1:チャイコフスキーはパリで新しい楽器『チェレスタ』
の音色を聴いて触発され「こんぺい糖の踊り」を作曲した
*その2:チャイコフスキーは「こんぺい糖の踊り」のイメー
ジ、かわいらしくて雰囲気のある音色を求めて、どの楽器に
するか苦心していたところパリで『チェレスタ』という楽器
に出会い、即決で採用した
いずれにしてもチャイコフスキーは夢幻的で魅力溢れる素晴
らしい楽器チェレスタを大変気に入り、すぐにモスクワの業
者に注文し、そこには「リムスキー・コルサコフやグラズノ
フが気付く前に!」と添えられていた
チェレスタはチャイコフスキーによって初めてオーケストラ
で使用され、以降、他の作曲家達にも使われるようになった
チェレスタはパリの楽器制作者ミュステルによって発明され
1886年に特許を得た
「チェレスタ(Celesta伊)」の語源は「天国的な」
で、この世のものでない天空の響きを連想させる

◆こんぺい糖の踊り
https://www.youtube.com/watch?v=zV1qLYukTH8

◆画像下:チェレスタ


くるみ割り人形~トレパークとあし笛の踊り2021/12/ 6(月)
1.
2.

「トレパーク(ロシアの踊り)」とはロシアの郷土的な農民の
踊りで、力強い躍動感に富んだエネルギッシュなリズムで、
後半は急テンポで旋風のように圧倒的迫力で終わる 
トレパックは大麦糖の精の踊りでもあり、大麦糖とは、ねじり
棒のような飴菓子とも言われ、その軽やかな舞がねじれたキャ
ンディーのようにクルクル回る様のような踊り(諸説あり)

◆ロシア(トレパーク)の踊り 第二幕
ト長調、4分の2拍子
https://www.youtube.com/watch?v=ZZjev3HEYgc


「あし笛の踊り(フランスの踊り)」はアーモンド菓子の羊飼
い女があし笛を吹きながら踊るシーンで演奏される
フルートの三重奏がポルカ風の牧歌的メロディが穏やかで優し
い曲
フランスのルーアンの伝統菓子の名前でもある「葦笛(フランス
語ではミルリトン)」はアーモンド味のタルト

◆フランス(あし笛)の踊り  第2幕
ニ長調、4分の2拍子
https://www.youtube.com/watch?v=UywZRJzki8c


くるみ割り人形~コーヒーとお茶の踊り2021/12/4(土)
1.
2.

チョコレートの次は、コーヒー(アラビア)とお茶(中国)が
登場するが、コーヒー、お茶は当時は貴重な飲み物で、やはり
王侯貴族しか飲めず、特に英国貴族の紅茶箱は鍵までかかって
いる贅沢な作りだったという

◆アラビア(コーヒー)の踊り  第2幕
アラビア舞踏のコモドのスタイルによる東洋風なキャラクター
ダンスで、元来はグルジア地方の子守唄だった
ト短調、8分の3拍子
https://www.youtube.com/watch?v=Qrwxqn9YGNs

◆中国(お茶)の踊り  第2幕
ピチピチとした可愛らしいコミカルな踊りはコントラバスと
ファゴットのリズムにフルートが特徴のあるメロディで歌う
変ロ長調、4分の4拍子
https://www.youtube.com/watch?v=KPY8U1Svw10


くるみ割り人形~チョコレート(スペイン)の踊り2021/12/3(金)
1.

「チョコレート(スペイン)の踊り」はアレグロ・ブリランテで
トランペットが主旋律を輝かしく歌いながら始まり、カスタネッ
トが華やかにリズムを盛り上げるボレロが心地いい作品
ボレロ(bolero)はスペイン(もしくはキューバ)起源のダンス
音楽で18世紀末に始まった
元来は歌にカスタネットやギターでリズムをつけ、1人またはペア
で踊るダンスで19世紀にヨーロッパ中に広まった

そして、なぜスペインがチョコレートなのか?それは16世紀の
大航海時代にスペイン人が中米を征服したことでチョコレート
がスペインに持ち込まれたため
しかし「高価な舶来品」は富裕層しか口にできず、チョコレー
トは疲労回復効果や長寿の薬とされ、「門外不出の薬」として
100年近くスペインから出ることはなかった
チョコレートの語源は、スペイン語の「チョコラテ(Chocolate)」
の英語読みともいわれる(諸説あり)

◆チョコレート(スペイン)の踊り 第2幕
変ホ長調 4分の3拍子
https://www.youtube.com/watch?v=GSLBlz--j4U


くるみ割り人形~行進曲2021/12/2(木)
1.

第1幕最初のシーンでは、主人公クララの家でクリスマスイヴ
のパーティーが開かれ、大人から子供まで来客が続々とやって
くる
子供たちは来客からクリスマスプレゼントを貰うが、クララは
なぜか不恰好なくるみ割り人形を気に入ってしまい、喜んで
貰ったが、兄(弟?)たちにそのくるみ割り人形を横取り
され壊されてしまう・・・

ファンファーレの後に、跳ね回るような躍動感を持ったメロディ
が奏でられる オーケストラ版では、このモチーフはヴァイオ
リンで演奏され、プレゼントを貰う寸前の待ちきれない子ども
たちが目に浮かぶ楽しい曲

◆くるみ割り人形~行進曲 第1幕
https://www.youtube.com/watch?v=nWO2BZZhNkQ


くるみ割り人形~小序曲2021/12/1(水)
1.

「くるみ割り人形」は、ホフマンの童話『くるみ割り人形と
二十日ねずみの王様』から取られたバレエで、フランスの
文豪デュマ・フィスが脚色し、さらにプティパ(マリンスキ
ー劇場の首席振付師)が二幕三幕に構成した
チャイコフスコーは1890年(50歳頃)に、帝室マリン
スキー劇場の総監督から新作バレエの作曲を依頼されたが、
バレエとしてはこの子供っぽい物語が不向きではないか、と
乗り気ではなかったし、自分には童謡の世界を表現する能力
がないし自信もない、と心境をもらしたと伝えられる
しかし、結果、チャイコフスキーは「白鳥の湖」「くるみ割
り人形」「眠りの森の美女」で『世界三大バレエ』と呼ばれ
る傑作を創作し、童謡を鑑賞できる芸術作品にまで高めた
「小序曲」は、これから始まる夢の世界へ一気にいざなう
ワクワク感あふれる楽しい曲

◆チャイコフスキー:くるみ割り人形より「小序曲」
https://www.youtube.com/watch?v=21UpOxuhr-k


組曲『展覧会の絵』よりプロムナード2021/11/25(木)
1.

「展覧会の絵」はロシア国民学派を代表する作曲家、ムソル
グスキー(1839ー81)の1874年の作品で、友人の遺作展に
刺激されてこの曲を書いたといわれている
10曲の独立した曲でできているピアノ組曲だが、その管弦
楽的な響きに着目する多くの者が、魅力を感じて管弦楽用に
編曲している
中でもラヴェルの編曲(1922年)は特に有名で原曲の持っ
ている音楽的な可能性を縦横に引き出した傑作として、現在
ではほとんどラヴェルのオーケストレーションで演奏される
第1曲目のプロムナードは5拍子と6拍子が交代する力強い
リズムと、一度聴いたら忘れられないインパクトあるメロディ
は多分にロシアの民族的響きが使われている

◆組曲『展覧会の絵』プロムナード:ピアノソロ
https://www.youtube.com/watch?v=AjsVeofiQdw

◆組曲『展覧会の絵』プロムナード:管弦楽
https://www.youtube.com/watch?v=TJd67EBR2R0