日めくり音楽帖
良い耳を作れるクラシックからポピュラー作品を
季節に合わせて紹介しています&日々のlessonとか
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君を愛す~Ich liebe dich2023/2/14(火)
1.
2.

「君を愛す」はベートーヴェンの温かい歌曲
作曲年は1795年、1797年など諸説あるが
1795年ならちょうど24歳で、ピアノ協奏曲1番、
2番を初演し、ピアノ三重奏がウィーンで本格的に
初出版され、まさしく人生の大転換期だった
詩はドイツの作家ヘルロゼー
正式タイトルは『優しき愛 Zärtliche Liebe』だが、
歌詞冒頭の「Ich liebe dich」がタイトルとして
呼ばれることが多い

「御身を愛す(君を愛す) Ich liebe dich」
愛する思いは 朝夕絶えず
二つの心は 離るる日なし
悩みも涙も 互いに慰め
憂きも楽しきも 共にわかたん 君と共に
いとおしの君よ まごころ愛でて
御神は君をば 護り給(たま)わめ
御神は我等を 恵み給わめ 
恵み給わめ 我等を
・・・
◆君を愛す
https://www.youtube.com/watch?v=54yydGPj454

◆画像1:若い頃のベートーヴェン


スプリング・ソナタ2022/ 4/11(月)
1.
2.

ベートーヴェンの通称スプリング・ソナタは
「ヴァイオリンソナタ 第5番 ヘ長調 Op.24」のことだが
後世の人間によって「春」と呼ばれている
全10曲あるベートーヴェンのヴァイオリンソナタ中、
第9番「クロイツェル」同様の知名度で人気曲

この曲はベートーヴェンが30~31歳のころ書かれたが
同時期に交響曲第1番も着手し、作曲家としての勝負曲
でもあった
しかし、この頃から難聴との闘いも始まった上、ヨーロッ
パはナポレオン戦争へ突入した
この曲の依頼者のフライ伯はベートーヴェンやシューベルト
なども支援したが、戦争の渦で破産に向かってしまった
輝かしい未来の象徴である「春」もベートーヴェンには、
過酷な運命の始まり、、、ともいえるが、聖人はやはり
人並外れた強靭な精神で突き進んでいく
スプリング・ソナタはそのまばゆい光で満ち溢れている!!

◆ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ 第5番 ヘ長調 Op.24
https://www.youtube.com/watch?v=kwvfCR2DXxI

◆画像下:30歳頃のベートーヴェン


モーツァルト/フルートとハープのための協奏曲2021/11/ 9(火)
1.

モーツァルトがパリ滞在中の22歳(1778年)のときに
ギーヌ公爵とハープを習っていたその令嬢からの依頼で
書いた作品で、少なくとも周知の古典協奏曲の中では
異例な組み合わせの協奏曲が生まれた
とはいえ、18世紀末頃のパリでは、マリー・アントワ
ネット以下、上中流夫人、令嬢たちがたしなみとして
ハープを演奏することがトレンドだった
モーツァルトはフルートがむしろ嫌いだった(らしい)
しハープを弾いたためしもなかったが、霊感の非凡さ
から一気にハープを味方につけ、こんなにも優美な
ロココ趣味を音楽で表した

◆モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲
https://www.youtube.com/watch?v=4oj_2Lmb23A


愛の喜び マルティーニ2021/11/1(月)
1.

「愛の喜び」(「愛の喜びは」と表記されることもあり)は
秋の乾いた青天に似合う美しいメロディの歌
作曲者のマルティーニ(1741-1816)はモーツァルトより
15歳年上のドイツ出身のフランスの作曲家で宮廷楽長や
最も重要な劇場監督として活躍した
愛の喜びは代表作で、J.P.クラリスが作詞し、イタリア語の
歌詞でも歌われる
エルビス・プレスリーの「好きにならずにいられない」の
原曲でもあり、タイトルとメロディの温かさから日本でも
よく結婚式のBGM等に使用されるが、実は切ない失恋の歌!

「愛の喜びは一瞬しか続かない 別れの悲しみは生涯続く
 私はつれないシルヴィのためにすべてを捨てた
 彼女は私を捨て他の男のもとに去った
 愛の喜びは一瞬しか続かない 別れの悲しみは生涯続く」

ゆえに「愛の喜び」よりも「愛の喜びは」の方が合っている⁈

◆愛の喜び:ナナ・ムスクーリ(歌)
https://www.youtube.com/watch?v=kpnlQPH1UHU

◆好きにならずにいられない
Can't Help Falling In Love:エルビス・プレスリー
https://www.youtube.com/watch?v=_VOvw5UX0OU


テンペスト2021/10/20(水)
1.

ベートーヴェンのピアノソナタ17番は通称テンペスト
(嵐)と呼ばれているが、これは弟子のシンドラーが
この曲と第23番(熱情)の解釈について尋ねたとき、
ベートーヴェンが「シェイクスピアの『テンペスト』
を読め」と言ったとされることに由来しているが
真偽は定かではない
この曲を作曲した1802年のベートーヴェン(32歳)は
以前からの難聴が進行して絶望し、遺書を書いている

シェイクスピアのテンペストには、有名なセリフが
いくつかあるが、中でもプロスペローの以下のセリフ
が、どうしてもベートーヴェンの心情と重なって聴こ
えてしまう…
「この大地にあるものは全て消え去るのだ そして、
今の実体のない見世物が消えたように後には雲ひとつ
残らない 私達は夢を織り成す糸のようなものだ
そのささやかな人生は 眠りによって締めくくられる」

◆ピアノソナタ第17番Op.31-2 第三楽章
https://www.youtube.com/watch?v=ItC7n-2aMXs

◆画像:ホルネマン作 1802年頃のベートーヴェン


ソナタ 第10番 Cdur Hob.XVI:12021/10/17(日)
1.
2.

ハイドン(1732-1809)は交響曲の父、
弦楽四重奏の父とも呼ばれ、モーツァルト
やベートーヴェンの師でもあった
オーストリアの東の小さな村で生まれたが、
声の良さから大都会ウィーンのシュテファ
ン大聖堂の楽長に才能を見出され、8歳で
聖歌隊に入団し9年稼働したが、変声期で
退団したのち、演奏や創作活動に入った
ソナタ第10番はそんな初期(1750年)
の作曲で、チェンバロのために書かれた
作品と言われる

このソナタは明るく澄んだまっすぐな気質
おしゃべりでリズミカルなところがいい

◆ソナタ 第10番 第一楽章
https://www.youtube.com/watch?v=5uyApyL5HI4

◆ソナタ 第10番 第二楽章
https://www.youtube.com/watch?v=OPqQMc-KFIw

◆ソナタ 第10番 第三楽章
https://www.youtube.com/watch?v=_ukw9uGEmvs

◆画像:ハイドンとウィーン シュテファン大聖堂


ソナチネ Op.36 No.12021/10/5(火)
1.

ソナチネとは「小さいソナタ」の意味で、ソナタ
とは「ソナタ形式で書かれた楽曲」を指す
ソナチネはピアノ学習者が必ずと言っていいほど
勉強するジャンルで、中でもクレメンティや
クーラウはよく取り上げられる
このOp(オーパス:作品).36ーNo.1は、一番
最初にソナチネを勉強する時によく弾かれる曲で
譜読み的には易しいが、明快に演奏すると大変
立派な作りになっているので、弾きごたえと
聴きごたえが素晴らしい作品!

作曲者のムツィオ・クレメンティ(1752-1832)
は、ローマ生まれの作曲家、ピアニストで、のち
に教育者、編集者、出版業者、楽器製造者など
幅広く活躍した
29歳頃にはウィーンで神聖ローマ皇帝ヨーゼフ
2世に招かれ、当時25歳のモーツァルトとピアノ
で競演したこともある腕前だった
多くの教育作品を書き、そのテキストはチェルニ
ー、ショパン、リストなどがパリ音楽院ピアノ科
の教材として使用されていた
イギリスのウェストミンスター寺院に埋葬された
墓石には「ピアノフォルテの父」と刻まれている

◆ソナチネ Op.36 No.1 第一楽章~第三楽章
https://www.youtube.com/watch?v=uIsPmazmJWw
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