日めくり音楽帖
良い耳を作れるクラシックからポピュラー作品を
季節に合わせて紹介しています&日々のlessonとか
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鍵盤の魔術師 カツァリス2022/ 4/26(火)

2020年7月に予定されていたシプリアン・カツァリスの
リサイタルが再再延期を経て、ようやく開催された。
世界的ピアニスト兼作曲家として、また90年代に日本で
放映されたショパンのマスタークラスのレッスンも行い、
その個性的な演奏のファンも多く、カツァリス自身も
日本びいきらしい。
オープニングから即興演奏とあり、一体どんな演奏かと
ワクワクしていた。期待を越える美しい静かなメロディ
から始まり、バロック風だったりベートーヴェン風もあり、
シューマンぽかったりと、もういくらでも弾き続けられる
のだなあ〜とうっとり♪
ベートーヴェンの葬送行進曲はコロナの犠牲者への追悼
として演奏され、悲しみの中にも力強さがあり、音が
柔らかい。
続くヴァイオリンソナタ「春」と「クロイツェル」は
てっきりヴァイオリニストと共演するのかと思っていたが、
2曲共、ピアノソロ演奏だった。
ピアノソロで聴いたのは初めてだったのでとても新鮮!
プログラム解説にも、「春の冒頭のメロディの美しさは、
ヴァイオリンならではと思っていたが、あたかもピアノ
ソナタであったかと錯覚するほど、優美で流れる春風の
ようである」とあり、しごく納得した。
クロイツェルもベートーヴェン自身が「協奏曲のように
競いあうヴァイオリンのオブリガートがついたピアノ
ソナタ」と言っていたらしく、ピアノだけも充分に
聴きごたえがあった。
ー続ー


すみれの花咲くころ2022/ 4/19(火)
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「すみれ」のイメージ
・清楚 ・健気 ・地味なのに人気あり
・ステキだけど目立たない
・ひっそり咲いてひっそり散っていく
でも人の心に強く残る香水みたいな花

そして宝塚歌劇団のテーマソングとして
有名な「すみれの花咲くころ」は
ド派手な宝塚に合うのだろうか?
と昔は思っていたが、厳しい練習と華やかな
ステージの内にはすみれのような献身的な
芸術への思いが詰まっているのだと思う

「すみれの花咲くころ」の原曲は驚くほど奥深い
1929年のバリでドイツの流行歌『白いライラックが
また咲いたら』のヒットを受け、それを仏語カバー
した『白いリラ(ライラックの仏語)の咲く頃』が
流行していた
その頃、渡欧していた宝塚歌劇団の演出家がパリの
流行歌を何曲か持ち帰り、宝塚の持ち歌として
カバーしたらしい
そのとき「ライラックやリラ」では日本に馴染みが
薄いから「すみれの花さくころ」にしたという
サウンドはシャンソンそのもののエスプリあふれるのに
「すみれの花咲くころ」という歌詞がすごくマッチしてて
まるでこの歌詞のためのメロディに聴こえる!美しい!!

◆Wenn der weiße Flieder wieder blüht
白いリラの咲くころ
https://www.youtube.com/watch?v=iBCrsb71M-o

◆すみれの花咲くころ:はいだしょうこ
https://www.youtube.com/watch?v=JondDXcIDrU


八重桜2022/ 4/12(火)

よく行く郵便局の隣に咲いた八重桜
ソメイヨシノは楚々とした薄倖な美人としたら
八重桜はエネルギー満タンの次女もしくは末っ子?
とにかく華やか!アッパレ⭐︎⭐︎⭐︎


スプリング・ソナタ2022/ 4/11(月)
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ベートーヴェンの通称スプリング・ソナタは
「ヴァイオリンソナタ 第5番 ヘ長調 Op.24」のことだが
後世の人間によって「春」と呼ばれている
全10曲あるベートーヴェンのヴァイオリンソナタ中、
第9番「クロイツェル」同様の知名度で人気曲

この曲はベートーヴェンが30~31歳のころ書かれたが
同時期に交響曲第1番も着手し、作曲家としての勝負曲
でもあった
しかし、この頃から難聴との闘いも始まった上、ヨーロッ
パはナポレオン戦争へ突入した
この曲の依頼者のフライ伯はベートーヴェンやシューベルト
なども支援したが、戦争の渦で破産に向かってしまった
輝かしい未来の象徴である「春」もベートーヴェンには、
過酷な運命の始まり、、、ともいえるが、聖人はやはり
人並外れた強靭な精神で突き進んでいく
スプリング・ソナタはそのまばゆい光で満ち溢れている!!

◆ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ 第5番 ヘ長調 Op.24
https://www.youtube.com/watch?v=kwvfCR2DXxI

◆画像下:30歳頃のベートーヴェン


4月 松雪草 ~四季より~2022/ 4/ 5(火)
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~四季より~ 4月 松雪草
明るい光が積もった雪を通して かすかに光り
こんなに青く清らかな 松雪草が輝いている
古い運命への涙の最後 そして幸福の夢への
最初のあこがれ…
詩:マイコフ

北国の人々にとっての春を待つ気持ちは格別で、春を
告げる花とされる松雪草は、輝かしい光だけでなく 
希望さえも与えてくれる
清らかな松雪草に春の訪れの喜びと、過ぎ去ったときを
回想する思いを託し、無言歌風の作品になっている

ところで松雪草はスノードロップ(雪のしずく)の和名だが、
学名はガランサス・ニバリスといい、ガランサスはギリシャ
語で「乳のように白い花」を意味し、ニバリスはラテン語の
「雪(nivis)」を語源としているらしい
ゆえにこんな言い伝えがある
「禁断の果実を食べてエデンの園を追われたアダムとイヴ
悲しむイヴをあわれんだ天使が、舞い落ちる雪をスノー
ドロップの花に変え「もうすぐ春がくるから絶望しては
いけませんよ」とふたりを慰めた」
そんなところから希望、慰めが花言葉になっているのか

◆チャイコフスキー 四季より 4月 松雪草
https://www.youtube.com/watch?v=wiE4Mx-BSNc


桜満開♪2022/4/1(金)

近所の桜並木のピンクトンネルを闊歩
桜って不思議
昨日まで咲いていなかったのに
いきなりポンって咲く
まるでポップコーンみたい


幻想曲「さくら さくら」2022/ 3/29(火)
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平井康三郎(1910-2002)が1971年に発表した
幻想曲「さくらさくら」の原曲は近世箏曲の《さくら》
で、「さくら さくら 弥生の空は 見渡すかぎり
霞か雲か 匂いぞ出ずる いざや いざや 見にゆかん」
の歌詞は、明治21(1888)年に出版された『箏曲集』
に掲載された
この《さくら》を基に、平井は変奏曲風の《幻想曲
「さくらさくら」》を仕上げた
パッと咲いてパッと散る桜の儚さを上品に表現した
このピアノソロ作品は演奏会でもよく好まれている

◆平井康三郎:幻想曲「さくら さくら」
https://www.youtube.com/watch?v=RXy84-VrT9U