日めくり音楽帖
良い耳を作れるクラシックからポピュラー作品を
季節に合わせて紹介しています&日々のlessonとか
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桜満開♪2022/4/1(金)

近所の桜並木のピンクトンネルを闊歩
桜って不思議
昨日まで咲いていなかったのに
いきなりポンって咲く
まるでポップコーンみたい


幻想曲「さくら さくら」2022/ 3/29(火)
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平井康三郎(1910-2002)が1971年に発表した
幻想曲「さくらさくら」の原曲は近世箏曲の《さくら》
で、「さくら さくら 弥生の空は 見渡すかぎり
霞か雲か 匂いぞ出ずる いざや いざや 見にゆかん」
の歌詞は、明治21(1888)年に出版された『箏曲集』
に掲載された
この《さくら》を基に、平井は変奏曲風の《幻想曲
「さくらさくら」》を仕上げた
パッと咲いてパッと散る桜の儚さを上品に表現した
このピアノソロ作品は演奏会でもよく好まれている

◆平井康三郎:幻想曲「さくら さくら」
https://www.youtube.com/watch?v=RXy84-VrT9U


春の歌~無言歌集Op.62-22022/3/15(火)
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「無言歌集」とは文字通り「言葉のない歌」という意味で
歌曲風のメロディに簡単な伴奏をつけただけの、形式も
ごく単純な短い曲のことをいう
この名称はメンデルスゾーン(1809-47)自身が
考え出したものとされており、普通の人が日々の出来事や
感想を日記に書くのと同じような感覚で、「無言歌集」を
書いていった
時には旅先からの手紙の中に、楽曲の一部が書かれていた
こともあり、どの標題も分かりやすい名前がついているが
メンデルスゾーン自身がつけたものはほんのわずかで、
ほとんどは出版時に関係者がつけたものと言われる
全部で48(49?)曲もの小品を集めたこの「無言歌集」
のなかでも、1842年に作曲されたこの『春の歌』は特に
有名で、ピアノ以外にも、ヴァイオリンや他の楽器でもよく
演奏される
流れるようなロマン的でのどかなメロディは、いつも聴く
者を平和な気分にさせる
形式は単純だが伴奏様式は、メンデルスゾーンの天才ぶりを
思わせるもので、装飾音符を巧妙に使って今までにない美し
い効果を出した
いとも軽やかに流れるように奏するには大変難しく、力を
入れる、抜くの精巧な技術と耳の力が求められる
装飾音を柔らかい春風が頬を優しくなでるように演奏できれば
一人前!

◆春の歌~無言歌集Op.62-2:メンデルスゾーン
https://www.youtube.com/watch?v=5fcUBW3szik


3月 ひばりの歌 ~四季より~2022/3/1(火)
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~四季より~ 3月 ひばりの歌
空の光と輝きがまだ眠っていた花の上に落ちる
春のひばりの歌は明るく青い深みに響き渡る…
詩:マイコフ

ト短調の哀愁を帯びたメロディであっても、
春を告げるひばりと共に、ようやく冬から解放
される喜びを標題とするマイコフの詩を装飾音が
よく表している
このコロコロした装飾音をひばりのさえずりの
ように自然に表現するのは繊細なタッチが必要で
とても難しい ゴロゴロと重くなりやすく、
といって軽すぎてもダメ・・・チャイコフスキー
のピアノ曲は本当に美しいが難しい~
ところで「ひばり」は「晴れた日(日晴り)」に
さえずることに由来する説もあるらしい
「ひばり」といえば「美空ひばり」サンを思い
浮かべるが「美空ひばり」とはなんとポエジーな
名前だと改めて感心する
「美しい空」に「ひばり」が舞いながらさえずる!
やはりDivaそのものだ~~

◆チャイコフスキー 四季より 3月 ひばりの歌
https://www.youtube.com/watch?v=DOsoSUdTBPI


即興曲 D899 Op.90-32022/ 2/ 7(月)
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わずか31歳で亡くなる一年前に書かれたシューベルトの
即興曲Op.90は4曲からなる
中でも個人的に一番好きなのがこの第3曲★
果てしないアカネ雲に世界中が包まれているような
壮大で豊かなスケール
でも繊細で愁いを帯びながらも希望に向かう爽快さ!
これは一服の精神安定剤になっている
昔のドラマには、主人公やその周辺人物が、はっとする
「大切な話し」を会話する喫茶店やレストランのBGMに
よく流れていた
物語の大きな転機となるシーンに相応しい曲でもある

◆シューマン:即興曲 D899 Op.90-3 Ges dur
https://www.youtube.com/watch?v=FxhbAGwEYGQ

◆画像上:シューベルト
◆画像下:ホロヴィッツ
ウクライナ生れの歴史に残る米の名ピアニスト


2月 謝肉祭 ~四季より~2022/2/1(火)
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~四季より~ 2月 謝肉祭
もうすぐ にぎやかなマースレンニッツァ!
騒ぎて歩きし ゆかいなお祭り ざわめくよ!
詩:ヴャゼムスキィ

ロシア語でマースレンニッツァと呼ばれる謝肉祭は、陽気な
集い、遊び、乗馬、ブリヌィ(クレープ)作りなどで時を
過ごす四旬節前のお祭り
異教的に冬と別れ、春を迎え、四旬節前の正教の儀式を行う
次から次へと楽しい様子が万華鏡のごとく、逸る気持ちを
表現した楽曲
力強い勢いのあるリズムは、長く厳しい冬への勝利を高らか
に祝っている

◆チャイコフスキー 四季より 2月 謝肉祭
https://www.youtube.com/watch?v=KBQTLHDrykU

◆画像下:モスクワから約60キロ先の村で、2/22に
行われた「マースレニツァ(Maslenitsa)」の祭り
雪の要塞を制圧し、冬に見立てたわらや木でできた人形を
燃やし、冬の終わりを祝う
四旬節(Lent)直前のマースレニツァは「ざんげ節)」
とも呼ばれる期間で、それぞれの日にそれぞれ意味がある
22日は故意過失を問わず、他者を害した罪の許しを請う日


インヴェンション 第1番2022/1/25(火)
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インベンション【Invention(独)】とは〈創意〉を
意味するラテン語に由来する言葉
音楽用語としては、記譜法、作曲などに創意をこらした
作品のこと
バッハのクラビア曲集(1720‐23)の題名としてよく知られる
この曲集は2声部曲と3声部曲がそれぞれ15曲ずつあり
3声部曲は《シンフォニア》と題されている
バッハが息子の音楽教育のために書いた教材だが、今日でも
対位法の題材としてピアノの必須課題曲となっている

第1番はハ長調で、明るくよく晴れた空に穏やかな風景が
見えるような楽曲

◆J.S.バッハ:インヴェンション 第1番
https://www.youtube.com/watch?v=ziK6ihvbvi4