小貫音楽教室
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木星~組曲 惑星より
2021/11/22(月)
1.
2.
組曲「惑星」は全部で7曲あり、この「木星」は
その中で最も大規模で構成の変化に富んでいる
晴々とした魅力的な4主題を持ち、いたるところ
に喜びが満ち溢れている
ホルスト(1874-1934)の代表曲であるこの
組曲が1902年に全曲が正式初演された際、
「これらの曲は、諸惑星の占星術的な意義が着想
のきっかけになっているが、その中には標題音楽
は全然ない。そして同名の神話の神とも関係ない。
もしも、曲に対するなんらかの手引きが必要なら、
各曲のサブ・タイトルが広義に解釈されれば、
それで充分だろう。
例えば、木星は普通、喜びをもたらすが、同時に
宗教的な、あるいは国民的な祝祭に結ばれる、と
いう儀式的なたぐいの「喜び」をも表現している。
また、土星は肉体的衰退だけでなく「成就」の意味
もあり、水星は心の象徴である」
と語った。
「木星」の急速な第1部が終わった第2部
(アンダンテ・マエストーソ、変ホ長調)は
一番人気があり、厳粛で民謡風で親しみやすく、
晴れの祝典を想わせる第4主題が堂々と展開される
太陽系の中で大きさ、質量ともに最大の惑星である
「木星」はジュピター・快楽の神とも呼ばれ、
やはり惑星のドンのようなスケールの広さを感じる
◆ホルスト:組曲「惑星」より第5曲 木星
https://www.youtube.com/watch?v=ytQfhqWmr9M
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道化師の朝の歌
2021/11/18(木)
1.
2.
情熱などという湿ったものはビニール袋に入れて捨てる
夢などという不純物はさっさと燃やす
思い出などというあいまいなものは一気にちょん切る
内なる声などという実態のないものには一切耳をかさない
とある音楽評論家がラベルの作品イメージ上記のように
評され、誠にごもっとも!と合点している
モーリス・ラベル(1875-1937)フランスの作曲家で
その作品の数々はCool&Hotばかり…
冷たいホットーコーヒーorあったかいアイスコーヒー?
のような不思議さと洗練さが魅力
道化師の朝の歌は1904~5年に作られたピアノのため
の小品集【鏡】のなかの第4曲目で、単独としてもよく
演奏される
【鏡】は全5曲からなり、演奏も曲想も難曲として有名
ラヴェル自身は【鏡】について「これらは私の和声的進展
の中でもかなり大きな変化を示し、それまでの私の作風に
最もよく慣れ親しんでいた音楽家でさえ当惑したほどだった」
と自伝に残している
「道化師の朝の歌」は、華麗なピアノ書法、雰囲気の移り気
な変化、エネルギー溢れるリズム、そして輝くような色彩的
和声で、道化師を表現している
ラベルの母親はバスク人でラベルもバスク地方で生まれた
生涯母親を敬愛し、スペイン好みだった
1918年にはこの曲を管弦楽用にラヴェルが編曲している
「道化師の朝の歌」 Alborada sel gracioso
アルボラーダ(alborada)とは古いスペイン宮廷の朝に行われ
た行事で音楽を指す他に「暁」「起床ラッパ」の意もある
管弦楽で聴くとより色彩の濃淡まで浮き出ておもしろい!
◆ラベル:道化師の朝の歌 ピアノソロ
https://www.youtube.com/watch?v=wCvIWUBj5yg
◆ラベル:道化師の朝の歌 管弦楽
https://www.youtube.com/watch?v=JPLYhwRx-gA
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旅愁
2021/11/17(水)
『旅愁』をずっと文部省唱歌だと思っていたが、原曲は
オードウェイだと知って驚いた記憶がある
オードウェイ(1824-1880)は、アメリカの音楽家で
フォスターやワーク(大きな古時計の作曲者)と同時期
に活躍した
本業の医者の仕事をしながら作曲、楽譜出版等の音楽
活動も行った
この明るくて爽やかなメロディに、切ない歌詞がついた
だけで、大変悲し気な曲になるのは歌詞の魔力だと思う
アメリカでの原曲歌詞は、もっと軽い母を慕う歌だった
といわれているが、明治40年(1907年)に日本の詩人
「犬童球渓(いんどう きゅうけい)」が訳詩し、音楽
教科書で取り上げられて以来、急速に浸透し、今では
完全に日本の歌になった
犬童球渓は熊本人吉市出身で苦学の末、東京音楽学校
(現芸大)を卒業後、各地を転々とし、新潟の女学校
勤務時代にこの訳詩を手がけた
故郷を遠く離れた北国から、自身の境遇の苦悩などを
つづったものだともいわれる
また、林芙美子の『放浪記』の冒頭にも出てくること
でも広く知られる
林芙美子著「放浪記」より
私は北九州の或る小学校で、こんな歌を習った事があった
『更けゆく秋の夜 旅の空の わびしき思いに 一人悩む
恋しや古里 なつかし父母』
私は宿命的に放浪者である。私は古里を持たない。
父は四国の伊予の人間で、太物の行商人であった。
母は、九州の桜島の温泉宿の娘である。
母は他国者と一緒になったと云うので、鹿児島を追放されて
父と落ちつき場所を求めたところは、山口県の下関と云う処
であった。私が生まれたのはその下関の町である。
故郷に入れなかった両親を持つ私は、したがって旅が古里で
あった。それ故、宿命的に旅人である私は、この恋しや古里
の歌を随分侘しい気持ちで習ったものであった。
◆旅愁:倍賞千恵子さんの歌(発音がすっごく美しい!)
https://www.youtube.com/watch?v=ak7IfDqvaPY
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ハンガリー舞曲 第5番
2021/11/16(火)
1.
ヴァイオリニストのレメーニの伴奏者としてドイツ
演奏旅行を行った際、ロマ(ジプシー)の民族音楽
について知ることとなったブラームス(1833-97)
は、これをハンガリーの民族音楽であると思い、
採譜・編曲し、1869年に、2集からなる第1-10番が
出版されて好評を得た
後には更に2集からなる第11-21番も出版され、現在
知られる21曲からなる「ハンガリー舞曲集」となった
緩急が激しい熱い民族の血が騒ぐ一曲!
◆ブラームス:ハンガリー舞曲 第5番 Fis moll
https://www.youtube.com/watch?v=Vex6KhBAeKQ
◆画像:40代頃のブラームス
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飛翔:「幻想小曲集Op.2」より
2021/11/13(土)
1.
シューマンが27歳の1837年に作曲した「幻想小曲集」は
「幻想曲」「子供の情景」「クライスレリアーナ」など
と共にクララとの大恋愛の中から生まれた。
1839年にクララと結婚したものの、クララの父親
(シューマンの音楽の師ヴィーク)は最後まで猛反対で
ついに父親の同意なしに結婚を成立させる裁判を起こし
ようやく結ばれた。
シューマンはクララとの恋愛中から結婚後に、ピアノ曲、
歌曲、交響曲、室内楽を書きまくり、最高峰としては
もっとも早く書かれたピアノ曲と歌曲だと言われる。
幻想小曲集は、標題のついている8曲からなり、文学や
哲学に造詣の深かったシューマンらしい、独自の宇宙観
にあふれている。
◆シューマン:幻想小曲集 Op.12より第2曲 飛翔
https://www.youtube.com/watch?v=0BQLMQ0k9_I
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モーツァルト/フルートとハープのための協奏曲
2021/11/ 9(火)
1.
モーツァルトがパリ滞在中の22歳(1778年)のときに
ギーヌ公爵とハープを習っていたその令嬢からの依頼で
書いた作品で、少なくとも周知の古典協奏曲の中では
異例な組み合わせの協奏曲が生まれた
とはいえ、18世紀末頃のパリでは、マリー・アントワ
ネット以下、上中流夫人、令嬢たちがたしなみとして
ハープを演奏することがトレンドだった
モーツァルトはフルートがむしろ嫌いだった(らしい)
しハープを弾いたためしもなかったが、霊感の非凡さ
から一気にハープを味方につけ、こんなにも優美な
ロココ趣味を音楽で表した
◆モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲
https://www.youtube.com/watch?v=4oj_2Lmb23A
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ヘンデル/ハープ協奏曲 Bdur Op.4-6
2021/11/8(月)
1.
2.
この作品はヘンデルのような大作曲家の手になる
当ジャンル初めてのものとして絶大な価値、支持を
持っている
1736年ロンドンのガーデン劇場で初演されたオラト
リオ【アレクサンダーの饗宴】の幕間に演奏された
(諸説あり)
爽やかな心地よい風が広い庭園の向こうから吹いて
くるような、なんとも高貴な第一楽章が美しい
日本でも以前は皇室関連のニュースのBGMに、必ず?
といっていいほど流れていた
ローブデコルテとティアラが最もよく似合う曲☆彡
◆ヘンデル:ハープ協奏曲 Bdur Op.4-6 HWV-294a
https://www.youtube.com/watch?v=MqnYwG6-_kU
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その中で最も大規模で構成の変化に富んでいる
晴々とした魅力的な4主題を持ち、いたるところ
に喜びが満ち溢れている
ホルスト(1874-1934)の代表曲であるこの
組曲が1902年に全曲が正式初演された際、
「これらの曲は、諸惑星の占星術的な意義が着想
のきっかけになっているが、その中には標題音楽
は全然ない。そして同名の神話の神とも関係ない。
もしも、曲に対するなんらかの手引きが必要なら、
各曲のサブ・タイトルが広義に解釈されれば、
それで充分だろう。
例えば、木星は普通、喜びをもたらすが、同時に
宗教的な、あるいは国民的な祝祭に結ばれる、と
いう儀式的なたぐいの「喜び」をも表現している。
また、土星は肉体的衰退だけでなく「成就」の意味
もあり、水星は心の象徴である」
と語った。
「木星」の急速な第1部が終わった第2部
(アンダンテ・マエストーソ、変ホ長調)は
一番人気があり、厳粛で民謡風で親しみやすく、
晴れの祝典を想わせる第4主題が堂々と展開される
太陽系の中で大きさ、質量ともに最大の惑星である
「木星」はジュピター・快楽の神とも呼ばれ、
やはり惑星のドンのようなスケールの広さを感じる
◆ホルスト:組曲「惑星」より第5曲 木星
https://www.youtube.com/watch?v=ytQfhqWmr9M